目次(クリックで飛べます)

動作から体感できる精緻なメカニズムに心が踊る、パイロット キャップレス 総合的なご説明

パイロットからは、キャップレスという、キャップの無いノック式の万年筆が販売されています。
以前からある商品で、一時積極的に販売されていない時期もありましたが、現在では、多彩な品種のものが販売されております。
今回は、量産ならではの秀逸品、キャップレス現行品について、総合的に解説してみたいと思います。
車の塗装のように、きれいでしっかりした表面塗装が施されているのが魅力です。

現在大きく分けて3系統のものが発売されています。
※商品名から、OnlineShopに直接リンクしています

※何代目という表記は、代表製品の発売時期を基準にした、外側形状や内部メカニズムによる区分です。

※商品型番の一番最後のかっこ内は、用意されているペン先字幅です。
ペン先字幅記号と選択に関する参考情報

9代目キャップレス

キャップレス FC-15SR(F/M/B ディープレッドとダークブルーはF/Mのみ)

税抜15,000円 ペン先18K
黄銅 塗装
これがもっともスタンダードなキャップレス

軸色 ブラック

軸色 ディープレッド

軸色 ダークブルー

お買い求めはこちら

キャップレス FCN-1MR(F/M)

税抜10,000円 ペン先特殊合金
黄銅 塗装

軸色 ブラック

軸色 ディープレッド

軸色 ダークブルー

軸色 ディープイエロー

軸色 シルバー

お買い求めはこちら

キャップレス螺鈿 FCN-5MP-RB(F/M/B)

税抜50,000円 ペン先18K ロジウムメッキ(銀色)ペン先
黄銅素材 地塗蠟色漆仕上+螺鈿

蒔絵模様 螺鈿水面

蒔絵模様 螺鈿ストライプ

蒔絵模様 螺鈿ブラック

お買い求めはこちら

キャップレス絣 FCN-2MR-K(F/M/B)

税抜20,000円 ペン先18K ロジウムメッキ(銀色)ペン先
黄銅 絣(かすり)模様塗装
当店の売れ筋商品

軸色 絣-黒

軸色 絣-紺

※絣(かすり)とは、画像のような模様のことです。
絣(かすり)模様塗装された、美しいキャップレス万年筆です。
絣模様の凹凸感が心地よく指先に感じることができる、逸品です。
お買い求めはこちら

キャップレス マットブラック FC-18SR-BM(EF/F/M/B)

税抜18,000円 黄銅 黒クロムメッキ仕上
ペン先18K ロジウムメッキ(銀色)ペン先

マットブラック


お買い求めはこちら

キャップレス木軸 FC-25SK(EF/F/M)

税抜25,000円 樹脂含浸カバ材
ペン先18K ロジウムメッキ(銀色)ペン先
当店の売れ筋商品

軸色 ブラック

軸色 ディープレッド

お買い求めはこちら

キャップレスストライプ FC-3MS-S(F/M)

税抜30,000円 黄銅素材ロジウム仕上
ペン先18K ロジウムメッキ(銀色)ペン先

 

10代目キャップレス・デシモ アルミ素材

FCT-15SR(EF/F/M/B ダークグレーマイカ・ダークブルーはF/M/Bのみ、パールホワイト・シャンパンピンクはF/Mのみ)

税抜15,000円 アルミ 塗装
ペン先18K ロジウムメッキ(銀色)ペン先
当店の売れ筋商品
これが一番売れています。

軸色 ダークグレーマイカ

軸色 ダークブルーマイカ

軸色 パールホワイト

軸色 シャンパンピンク

軸色 ブラック

軸色 レッド

軸色 ライトブルー

軸色 バイオレット

お買い求めはこちら

11代目キャップレス・フェルモ 黄銅素材

FCF-2MR(F/M)

税抜20,000円 黄銅 塗装
ペン先18K ロジウムメッキ(銀色)ペン先

軸色 ブラック

軸色 ダークブルー

軸色 ダークグリーン

軸色 ダイヤモンドシルバー

お買い求めはこちら

キャップレスについての若干の知識

現在発売されているキャップレスは、3種類とも、ペン先・ペン芯が装着されている内部筆記体の形状は見た目にはほぼ同じです。
しかし、デシモ以外の筆記体ペン先を、デシモに装着するとシャッターの動きが異様になることがあります(逆にデシモのものをデシモ以外に装着した場合は異様な動作にはなりません)。
この点から、商品間で内部を入れ替えて使うことはおやめください。
後述のように、筆記体単体を内部に装着した状態で、ペン先先端部分に掛かる応力が若干異る場合があることからも、同商品間(デシモ同士など)でも、内部の入れ替えはおすすめできません。
キャップレスは、主として海外で人気があることから、14金ではなく18金になっているようです。

18金ペン先の期待を裏切らない書き味

みなさんは、18金ペン先であると、14金と比べて、柔らかく書き味が良いと思われるのではないでしょうか。
キャップレスのペン先は、その期待通りの、皆さんがもつ18金のイメージ通りの書き味です。
同じ字幅のペン先でも、キャップレスの18金ペン先と、他の商品のペン先とでは、硬さなどに少々違いがあります。キャップレスの書き味は、ペン先は小さいながらも、格別に良い書き味を堪能することができます。
ご予算が可能ならば、ステンレスペン先1万円のキャップレスよりも、18金の商品をご選択になることを強くおすすめします。抜群によい書き味になります。

シャッター部分などの機密性は、昭和30年代の初代キャップレスに比べて格段に進歩しています。
軸のネジをゆるめて、軸本体を二つに分解し、長い方の部品をネジ部分からシャッター方向に息を吹くと、空気が漏れないことが確認できます。
また、キャップレスに採用されているペン先取り付け部分の設計では、ペン先ペン芯がずれる心配がありません。

内部の洗浄は困難です

試し書きのときは、出来れば、試し書き専用品か、可動部分のみを取り出して書いて頂く方が良いです。インクが付着すると一般の店頭で完全な洗浄は著しく困難ですし、本体に取り付けて書きますと、内部シャッター部分などにインクがついてしまいます。
カーボン系のインクがシャッターなどに付着したら、洗浄は著しく困難になることが多いです。そのため、万年筆に使用可能と銘打ってあっても、カーボン系のインクはキャップレスには絶対に使用しないでください。もし、ご使用になった場合、その時点で、パイロットのメーカー保証書は無効になります

インクを変更するとき、特に黒から他の色に変更するときは、メーカーか、当店のようなサービスセンターにて、シャッターなどの内部まで、他の万年筆以上に完全に洗浄する必要があります。お手元での完璧な洗浄は困難です。
ご使用インクは変えない方が良いです。

キャップレスの空カートリッジ

現在発売されているキャップレスは、空カートリッジが付属しています。
しかし、これは、詰め替えて使うものではなく、位置決め用です。キャップレスは、カートリッジを入れておかないと、本体にはめたときの長さが決まらないからです。
具体的に申し上げますと、カートリッジを装着せずに本体に組み込みますと、ノックしてもペン先が本体から出てきません。
カートリッジを装着せずに本体に組み込んでも、壊れることはありませんので、もし、カートリッジを装着せずにノックしてしまったとしても、ご心配いりません。

筆記体画像
カートリッジを装着し、最後部に中パイプを装着した状態

カートリッジを外して、中パイプを装着した状態
全長が短くなってしまう


そのため、以下の点にご注意下さい。
●保存時や、修理依頼時などは、必ず空カートリッジを装着するようにしてください。従って、最初に付属していた空カートリッジは、必ず保存してください。もし、無くなった場合は、一般のインクの入ったカートリッジの使用済み品の栓をピンセットで外して頂いて、内部を洗って頂いて、空カートリッジを作ることが可能です。栓を抜いていただかなくても良いですが、栓を抜かないとカートリッジ内部を洗うことが難しいです。
●当初付属していた空カートリッジは、インクをスポイトで入れてご使用頂くことが可能ですが、本来そのような目的のために付属しているわけではありません。位置決めの目的です。

キャップレス以外の商品に空カートリッジが装着されていないのは、位置決めの必要が無いからです

●カートリッジが位置決めになっておりますので、カートリッジやコンバーターの装着時は、完全に止まるまで、しっかりと押し込んでください。
●コンバーター装着時は、中パイプの装着は必要ありません。

カートリッジが位置決めになっているため、修理依頼時は、カートリッジを装着した状態でご発送下さい。
短い状態でセットしても、書くことはできませんが、壊れることはありません。
なお、以前のキャップレスは、カートリッジが位置決めになっておらず、カートリッジ未装着でも問題なくセッティングできるものもありますが、現在のキャップレスはすべて上記のような構造です。

キャップレス万年筆のB(太字)ペン先について


ペン先先端には上記画像のような、球状のイリドスミン合金が溶着されております。

球を二つに割り、割れ目からインクが出ることによって、紙へ筆記することができます。

上記画像のような球のままですと、紙に当たる面積はそれほど多くないため、少し球の表面を削って平面を作るほうが太く書けます。コースペン先などは、太い字幅を実現するために、大きな平面が取られています。
このように、一般的にペン先の先端は球のままということはありません。
この点、キャップレスのBペン先は、先端の平面がそれほど取られていないため、他のBペン先よりも細い字幅となります。キャップレスのM字幅よりは太いものの、差が少ないです。

通常の(9代目)キャップレスと「デシモ」について

通常は軸径が太くなると、ペン先が大きくなり、ペン芯も太くなるため、先端筆記部分の位置は、細い軸よりも、軸中心からずれます。
キャップレスは、軸径が太くても細くても、筆記される部分の位置が同じです。
このため、通常の万年筆とは違って、持った感じ、少し違いがあり、通常のキャップレスは少し太く感じやすいです。
筆記部分位置についての話は、「キャップ式精密ボールペンに関するよくいただくご質問」の、
ボールペンの場合、なぜ万年筆のような太い軸が製作されないのか
をご覧下さい。
通常のキャップレスは、軸に肉厚があり、しっかりした感じを体感できます。デシモは肉厚が薄いですが、弱いということはありません。
軸が細いデシモは使いやすいですが、通常のキャップレスの軸太さも捨てがたい魅力です。

キャップレス木軸について

キャップレス木軸は、木製のキャップレス万年筆という、異色の商品です。
素材をレグノ89Sと同じ削りだしの樹脂含浸積層カバ材を採用したノック式万年筆です。
肌触りも良く、独特の木の香りがあります。

木軸は、デシモではなく、通常の(FC-から始まる型番の9代目)キャップレスの仕様になります。
木軸の形状について、木軸のほうが少し太くお感じになるかもしれません。
軸形状は、先端金属部分(クリップ付け根あたり)に段差があります。9代目キャップレスは軸先端の断面形状が真円ではない形状なのに対し、今回のような木製軸は、断面が真円になるため、接続部分の連続を持たせるために、このようなデザインになったようです(10代目のデシモは軸断面形状は真円)。

ご選択のアドバイス

通常の9代目キャップレスは、軸が若干太く、クリップが邪魔になり、持ちにくいという方もいらっしゃいます。
そのような方は、是非フェルモやデシモもお試し下さい。通常のキャップレスが使いにくい方でも、デシモなどでは違和感なくお使い頂くことが出来る場合があります。
とはいえ、通常のキャップレスの軸太さも捨てがたい魅力です。

フェルモは、後部つまみをひねって回すことによりペン先を出し入れします。
鞄の中に軸だけ入れて運ぶような場合、通常の押しボタンタイプですと、知らない間に荷物で押されてペン先が出てペン先を傷めてしまうことがありますが、フェルモはそのようなご心配は無用です。もっとも、不用意にペン先が出うるような状態、すなわち、鞄の中に軸単体を入れて持ち運ぶようなことはおすすめできません。

キャップレス万年筆ご使用に関する注意点

キャップレスの空ノックについて

キャップレス商品で、インクを入れていない状態で空のノックを繰り返さないで下さい。
特にインクが入っていない状態では、空のノックは行わないようにしてください。
空のノックを過度に繰り返しますと、ペン芯の後ろがシャッターとこすれて摩耗することがあります。

ノック直後のインク出について

キャップレス万年筆は、ノック直後、シャッター先端がペン先先端に当たり、ペン先が一瞬少し開きます。
このため、ノック直後は少しインク出が多めになります。
ペン先先端にシャッターが当たることによって、シャッター表面にインクが付着し、ペン芯後部とシャッターとの間にインクの膜ができ、シャッターとペン芯の異常摩耗が防止されます。

キャップレスの内部筆記体のペン先周辺や、ペン先の付け根付近ステンレス製の筆記体先端がインクで汚れる点について

説明書にも記載があるとおり、上記ペン先周辺がインクが付着することは、正常な範囲内です。
軸内部やシャッター付近もペン先が出し入れされる際、インクが付着します。
従って、インクを変更する場合は、当店またはメーカーにて、筆記体のみならず、シャッター部分を含めた洗浄が必要です。
キャップレスは完全な洗浄が難しいので、インクを頻繁に変更することは困難な商品と言えます。
キャップレスに限らず、万年筆に入れるインクは安易に変更しないほうが良いです。

軸と筆記体は組として考える方が良いです

キャップレスのペン先形状は、本体に組み込んだ状態と、筆記体単体でみた状態では、かかる応力の違いから、先端部分の状態が若干変わるものもあります。
本体に組み込んだ状態があくまでも基本となります。
軸と筆記体は組として考えるべきであり、異なる軸との間で筆記体を入れ替えないで下さい。

さいごに

キャップレスのような商品は、量産品の方が非常に優れた商品が出来ますし、そもそも量産品でしか作りあげることができません。
動作から体感出来る精緻なメカニズムを是非皆さんも、一度おためし下さい。
当店では、完全に検品調整させていただき、お納めしております。
OnlineShopのキャップレス商品ページはこちら