M形吸入方式万年筆のご使用方法をご説明すると、以下の流れとなります。
簡単には、以下動画のような手順となりますので、まずは動画をご覧下さい。

ご使用方法

キャップの開閉方法

キャップを開閉して頂くときは、キャップを固定し、軸の方を回転させて開けると動作がスムーズです。
キャップを閉じるときは、キャップの中に軸をまっすぐ入れ、ねじ同士が当たってから軸を回転させてキャップを閉じて下さい。少し強めにねじ締めて頂いても問題ありません。

ご使用の前に、首の再締め付け

当店では、動作等は十分に確認して発送しております。
以下、画像に付した文字を元に、ご説明させて頂きます。

M形吸入方式は、軸Bと首Cがねじで接合されており、アの部分でねじが外れます。
首Cを外さなくてもインクを吸入することができますが、首を外して、吸入したインクを排出させたり、軸Bの内部を洗うことができます。このため、首Cを外すことを想定し、首はお客様のお手元で緩めることが出来る強さで締めてあります。
このため、お手元に届きましたら、一度首Cを締め直す作業をして頂ければ幸いです。
方法は、以下の通りです。

首締め直し手順

後部つまみAを緩めたあと、首Cを少し緩める
ペン先を上にした状態で、首Cを少し緩めます。首を外す必要はありません。
首Cを軸Bにねじこみ
ピタッと止まるまで、キュッと締めて下さい。ピタッと止まった位置から少し力を入れて締めて下さい。外れなくなる位まで強く締める必要はありません。
首Cをねじこみましたら、後部つまみAを閉めて下さい。

首Cと軸Bとの間にパッキンはなく、削り合わせ技術のみで漏れを防いでおります。全品検査しており、漏れることはありません。首Cの取付け取り外し時は、軸Bや首の取り付け面やねじを傷つけないようにして下さい。首Cを軸Bに装着した状態では、取り付け面が傷むことはありません。

吸入動作

後部つまみを引き出す
後部つまみAのねじをゆるめて引き出せる状態にし、最後まで(止まるまで)引き出します。
首をインクに浸す
後部つまみAをゆるめ、首Cの先端までインク液面に漬け、ペン先と首Cの先端端面がインクに完全に浸るまで浸します。
ペン先のみならず、首Cの先端まで完全にインク液面に漬けて下さい。
後部つまみの往復動作
インクに浸った状態のまま、
後部つまみAを止まるまで引き出す~止まるまで戻す
を繰り返します。後部つまみの往復動作で、インクが徐々に吸入されます。
往復させる早さは、ゆっくりで構いません。瓶の底にペン先を当てぬよう、ゆっくり確実に往復動作を行ってください。
吸入中、後部つまみを戻すときに、インク液面に浸した首端面より、泡が出ます。
満量吸入まで泡が出ていることで、吸入機構に問題が無いか確認することができます。
約10回の往復動作で満量吸入します。
吸入終了の合図
吸入中、首端面より泡が出なくなれば、吸入終了です。満了吸入した後は、後部つまみAの往復動作が少しだけ重くなります。
満了吸入後往復動作を繰り返しても、吸入機構にダメージを与えることはありません。
後部つまみAをねじ装着
後部つまみAを、軸Bにねじこんで固定します。
吸入動作終了直後の、ペン先が下になった状態で、ねじ込んでいただいて結構です。
余剰インクの拭き取り
ペン先を上にして、ペン先や首Cに付着したインクをティシューで拭き取ってください。特にペン先やペン先付根、首Cに付着しているインクは、ティシューを当てることにより、しっかりと拭き取り、ペン先後ろのペン芯横溝にインクが溜まったままにしないようにして下さい。

筆記方法

キャップを外し後部つまみを緩める
キャップを外し、後部つまみAを少し緩めたままの状態で筆記してくださいい。後部つまみAを緩めることにより、軸の中からインクが出ます。
筆記時は、キャップを外した後、毎回後ろの後部つまみAを少しゆるめたままの状態でご使用下さい。
ゆるめる量は後部つまみAの純粋な回転数量で3/4~1回転(270~360度)程度で十分です。
指先で断続的に回す動作を2回行うとちょうどこのくらいの回転量になります。
筆記終了後
ゆるめた後部つまみAを軸にねじこんでから、キャップを装着してください。
ご使用後はキャップを装着する前に、後部つまみAをねじ締めて下さい。後部つまみAをねじ閉める強さは、軽く止まるまで閉めれば十分です。後部つまみAを締めれば、軸内部からのインク供給は遮断されます。空気圧も漏らさない気密性を誇ります。
キャップは少ししっかり目にねじ閉めて頂くのが良いです。

ご使用のポイント

キャップの開閉操作について

キャップの開閉は、キャップの方を保持して固定し、軸の方を回すようにすると、操作が容易です。
キャップのねじを締めるときは、キャップをかぶせて、軸のオスねじとキャップのメスねじが当たった状態から右に回してキャップをねじ締めて下さい。オスねじとメスねじが当たった状態からねじ締めて頂ければ、ねじのかみ合いがスムーズです。
キャップは、きつめに締めて頂いて大丈夫です。

後部つまみの操作に関して

後部つまみAの開閉動作で出来ることは軸内からインクを流通させるか遮断させるかのどちらかのみで、水道の蛇口のように開閉量によってインクの出具合、いわゆるフローをコントロールするようなことは出来ません。緩める量でインクの流れは変わりません。

後部つまみAをねじ締めるときは、ピタッと止まった状態まで軽く締めるだけで大丈夫です。後部つまみ内部には強力なスプリングがあり、軽く締めれば、スプリングの圧力で軸からのインクや空気圧の流出を防ぎます。
後部つまみAを閉め忘れても、すぐに不具合が起きることはありませんが、毎回閉じて頂くのが望ましいです。
詳細は、M形吸入方式万年筆 吸入のメカニズムと開発秘話 の、なぜインクを止める装置が必要なのかをご覧下さい。
引き出された後部つまみAを軸内に戻すときは、必ずペン先を上にした状態で行ってください。ペン先が下にした状態で後部つまみAを戻すと、ペン先からインクが出てしまうことがあります。後述の引き戻し動作を行うときも同様です。

吸入動作に関して

吸入時、ペン先を瓶の底などに当ててペン先を傷めないようにご注意下さい。ご使用インクは、パイロットのブラック・ブルーブラック・ブルーをおすすめします。吸入アダプター付きのINK-70が便利です。

往復動作が早かったり、満量吸入後往復動作を繰り返しても、吸入機構を傷めることはありません。
透明軸を除き、実際の吸入量は軸の外からは見えませんので、吸入量は軸を振ったときに内部から聞こえる液体の動く音で把握して頂くことが可能です。
中にインク残量がある状態でも、インクを吸入して頂ければ、軸内部に存在するインクを排出することなく安全に継ぎ足し補給が可能です。

首を外してスポイトでインクを入れる方法について

この万年筆は、瓶インクからインクを吸うことが出来る構造ですが、首Cを外して、軸内にスポイトで直接インクを入れることも可能です。
直接軸の中にスポイトでインクを入れれば、インク吸入後、ペン先周辺を拭く必要がありません。
瓶内部のインク残量が少なく、吸入しにくい場合等に便利です。
付属のスポイトを用い、画像のような位置(満量がこの位置になります)付近か、若干下くらいまでインクを補充して下さい。

軸内に直接インクを入れる場合でも、一度、必ずご使用のインクを吸入させ、ペン芯の溝すべてに一度インクを通してください
ペン芯にインクが全く通っていない状態で軸内部にインクを入れてご使用になることになってしまった場合は、軸内部にインクを入れ、後部つまみをゆるめた状態から、インクが伝わってくるまでには少し間があります。ペン先を下にして出を促すように軸を上下に動かして下さい。ペン先を上に向け、下にする、を繰り返す「倒立動作」でも大丈夫です。
首の装着時は力強く締める必要はありませんが、ある程度の力でねじ締めて下さい。首を開閉するときは、後部つまみをすこしゆるめた状態で開け閉めして下さい。
後部つまみを締めた状態で首を開閉して頂いても商品を傷めることはありませんが、首を締め付けるときに、軸内部の弁の接触圧が掛かり、上手くピタッと締めることが出来ず、首と軸の継ぎ目からインクが漏れる可能性があります。
首を外した状態で後部つまみの往復動作は行わないで下さい。
首と軸のつなぎ目は車のエンジンのバルブのように完全にすり合わせてありますので、後部つまみをすこしゆるめた状態で締め付けて頂ければ、パッキンが無くても完全に気密が保たれ、インクが漏れることはありません。

インク出確認時のインク吸入量について

インクの出具合をご確認頂くときは、必ず軸に満量近いインクを入れた状態でテストしてください。この状態でのインク出が基準となります。
インクの量が少ないと、軸内の空気が手の温度で温められ、インク出が多めに感じられることなります。

洗浄について

軸内部やペン先を洗浄する場合は、首を外して首全体(ペン先・ペン芯)を流水で流し、軸内に水を入れて排出することを繰り返して軸内のインクを流水洗浄して頂いた後、首を装着し、後部つまみの吸入動作で水を吸入し、首を外して水を排出する内部洗浄を何度か繰り返して洗って下さい。
軸内部は、吸入メカニズムが入っております。軸内部の部品は取り出したり分解したりしないでください。不用意に取り出すと、インクが飛び散ったり、故障する恐れがあります。

引き戻し動作

軸内のインク量が少なくなると、軸内の空気が軸を握った手の体温で暖められて、インク出が多くなる場合があります。この場合、インクを補給すれば直ります。
この点、M形吸入方式万年筆が継ぎ足し補給が出来ることはとても有利です。
筆記中、インク出が多くなってしまった場合は、後部つまみを締めればインク供給を遮断できます。
ペン先裏側のペン芯に、過剰にインクがたまってしまった場合は、ティシューで拭き取ることが出来れば良いですが、ティシューなどが無くても、引き戻し動作をおこなうことにより、インクを軸内に戻すことができます。普段行う必要はありませんが、方法の一つとしてご紹介いたします。

その他、masahiro万年筆製作所製品のトラブルシューティングもご覧下さい。

引き戻し動作の方法

ペン先を上に向け、後部つまみをゆるめる
ペン先を上に向けた状態で、後部つまみをゆるめ、引き出せる状態にします。
後部つまみを勢いよく引っ張る
ペン先を上に向けた状態のまま、後部つまみを勢いよく引っ張ります。
これにより、ペン芯にあふれたインクが軸内に戻ります。
後部つまみが引き出せなくなるまで引っ張りますが、勢い余って強い力で引っ張りすぎないようにして下さい。
後部つまみを戻す
ペン先を上に向けた状態のまま、後部つまみを軸にゆっくりと戻し、後部つまみを軸にねじこみます。
後部つまみを戻すとき、空気がペン芯に送り込まれますので、ペン芯やペン先から、インクが泡となって弾かれて汚れることがありますので、弾き汚れにご注意ください。
必ずペン先を上にした状態で行ってください。ペン先を下にした状態で後部つまみを戻すと、ペン先からインクが出てしまうことがあります。