masahiro万年筆製作所製品は、エボナイト素材を使用しております。

エボナイト

万年筆素材として伝統的な、エボナイト材です。
エボナイトは、製造メーカーごとの品質差が歴然としております。電気絶縁用や工芸用など、いくつかの種類があります。

当店が使用しているエボナイト素材

当店では全世界で何社かある製造メーカーのエボナイト素材を試削したり、エボナイト素材で万年筆以外の製品を製造しているメーカーの方と情報交換したりした結果、最高水準の高品質工芸用エボナイト材をヨーロッパから直輸入し、使用しております。

古くからマーブルエボナイトを製造してきたメーカーですので、品質は抜群です。このメーカーのマーブルエボナイトは歴史も古く、19世紀の日本の堆朱をイメージして作られたとのことです。
入手難でコストも高いことから、当店が使用している素材で製品を製造している万年筆メーカーは少ないですが、当店では一貫してこの素材を使用しております。
世界でエボナイトを使用した高級工芸品やマウスピースなどの実用品を製造しているメーカーが採用している素材で、現在入手出来るエボナイトの中ではナンバーワンです。
特に置き曇り(後述のように、遮光して保管しても曇りが発生してしまうこと)が起きない、納得の品質です。エボナイトの加工は困難ですが、エボナイト加工を極めることにより、納得のいく加工が実現しており、当店で使用している代表的な素材です。
純粋なエボナイト材のため、エボナイト特有の以下の特徴があります。

エボナイトの特性

万年筆にふさわしい理想的な素材

質量や質感など、エボナイトは、万年筆にふさわしい素材です。
特にペン芯は、適切な寸法・適切な設計であれば、エボナイトを用いることにより、インクの流れや、首へのペン先固定力など、しっかりとした商品を作ることができます。
現在主流の合成樹脂が発明される前から万年筆の素材としてエボナイトは多用されて参りました。
古典的な素材ですが、現在でもエボナイトの素材特性を越えるような素材は少ないです。
欠点としては、切削加工と磨き加工の難易度が高いことが挙げられます。
エボナイトを切削すると、プラスチック素材などよりも圧倒的に早く刃物の切れ味が悪くなることに驚かされます。また、表面の磨きも、プラスチック素材とは比べものにならないくらい手間が掛かります。

独特の香り

純粋なエボナイトは天然ゴムから作られるゴムそのもののため、ゴムの香りがします。
以下で紹介する各色のうち、黒が一番香りが強いです。
香りは完成直後が強く、時間が経てばある程度は薄れます。

優れた光沢と肌触り

適切に磨くと、漆のツヤを超える素晴らしい光沢が出ます。また、直の表面は独特の手触り感があり、他の素材では体感出来ない質感です。

プラスチックを越える耐久性

プラスチックを遙かに超える耐久性と素材強度を誇ります。形状安定性・寸法安定性に優れ、セルロイドのような経年変化は起きません。
以下画像のような、ゆうに100年以上前のエボナイト万年筆がしっかりとした状態で残っています。

遮光しておけば、後述の曇りや色の変化は起きませんので、長く保管された商品でも、箱に入ったままの状態などで遮光されていれば、現在でも非常にきれいな外観です。

曇りとそれに伴う変色

お届け直後は非常に光沢がありますが、光にさらされたままになると、曇って来てしまいます。
曇りの程度によっては、表面の色が変わったように見えます。
曇りは紫外線によるエボナイト独特の現象です。初期の磨きが良ければ、曇りは起きにくいです。
完成後の保管を含め、当店で使用しているエボナイトは、光を遮光して保管すれば、曇りは起きません。遮光しても曇る「置き曇り」が発生するエボナイトもありますが、当店で使用しているエボナイトは置き曇り耐性にとても優れています。
当店の場合、太い素材から細く削り出して製作しておりますので、素材の時点で曇りが起きている部分をすべて除去してから製作しております。
曇っても、ご使用には影響ありません。
曇りは、万年筆だけでなく、楽器のマウスピースなど、純粋なエボナイトを使用した商品すべてに起きる特有の現象です。

おすすめするご使用方法

良質なエボナイトならば、遮光しておけばエボナイトは曇りませんが、実際ご使用頂く上では、軸を光に当てないわけにはいきません。
具体的なご使用法として、使わないときは、引き出しの中や、商品に入れてお送りする桐箱のような、完全に遮光できる環境に保管頂くことをおすすめします。
とはいえ、あまり神経質にならずにエボナイトとお付き合い頂くのがもっとも理想的なご使用方法と思います。

上記内容を含め、エボナイトについては、別ページで詳細に解説しております。

製作しているエボナイト軸の種類

以下の種類がございます。
括弧内は軸色を示す表記となります。

赤マーブル エボナイト(YR)

エボナイトの中ではおすすめの素材
黒いエボナイトに赤い模様を混ぜたエボナイトです。
断面は放射状に、表面は線状に模様が入ります。
見た目が木に似ているので、木と勘違いされることもあります。

この素材が採用されている商品
15ミリM形吸入方式
キャップ式精密ボールペン

グリーンマーブル エボナイト(YG)

明るめのグリーン色が入ったエボナイトです。
断面は放射状に、表面は線状に模様が入ります。

この素材が採用されている商品
15ミリM形吸入方式

パープルマーブル エボナイト(YP)

パープル色が入った、落ち着いた感じのエボナイトです。
断面は放射状に、表面は線状に模様が入ります。

この素材が採用されている商品
15ミリM形吸入方式

黒 エボナイト(YB)

黒単色のエボナイトで、ペン芯や小物部品も黒エボナイトで製作します。
黒エボナイトがエボナイトの基本中の基本ですが、素材として一番おすすめというわけではありません。
素材強度も黒が群を抜いて優れているわけではありません。

この素材が採用されている商品
15ミリM形吸入方式
キャップ式精密ボールペン

マリングリーンマーブル エボナイト(YM)

青とグリーンの中間といったような色の素材で、メーカー生産終了の稀少材です。
断面は放射状に、表面は線状に模様が入ります。

この素材が採用されている商品
15ミリM形吸入方式

オレンジマーブル エボナイト(YO)

※14ミリ軸以下のみ
とても目立つ、明るいオレンジ色のエボナイトで、メーカー生産終了の稀少材です。
断面は放射状に、表面は線状に模様が入ります。

この素材が採用されている商品
特注品のみ

赤スワールマーブル エボナイト(YRS)

※14ミリ軸以下のみ
前述の赤マーブルと同じ色ですが、模様が渦巻き(スワール)状に、表面は広がったように模様が入ります。
このような模様の入り方をするエボナイトは、当店ではこの素材のみ使用しています。
メーカー特別生産の稀少材です。

この素材が採用されている商品
特注品のみ

エボナイト軸の類似色素材について

類似色の素材が何種類かありますので、並べて写した画像で以下ご確認頂ければ幸いです。

グリーンマーブルエボナイト と マリングリーンマーブルエボナイト

左がグリーンマーブルエボナイト、右がマリングリーンマーブルエボナイトです。

グリーンマーブルのほうがまさに緑というような色で、マリングリーンのほうは、青みがかった緑という感じです。

信号機の青が緑色っぽいのに青と表現することから明らかなように、青には緑色の意味も含まれております。このため、マリングリーンは、グリーンマーブルほど緑色が強くないので、青のエボナイトとして紹介されることもあります。しかし、青というと、この文字の色のような色を想像される方が多いと思いますので、当店ではマリングリーンを青いエボナイトとして販売するのは厳しいと考えています。

赤マーブルエボナイト と 赤スワールマーブルエボナイト

左が赤マーブルエボナイト、右が赤スワールマーブルエボナイトです。

どちらも黒いエボナイトに赤いマーブル模様が入っており、赤い部分の色は同じ色です。
模様の入り方が、断面で見て、放射状か渦巻き状か、という違いがあります。
断面から見た模様の入り方の違いにより、表面に現れる模様も、直線的なものか、平面にマーブル模様を流したような感じになるか、の違いが出ます。

素材の模様について

黒エボナイト以外の素材は、模様が入ります。それぞれの素材模様は、素材ごとに全く違った模様になります。
また、削る量によって、現れる模様も激変します。
木材の木目と同じように、1本1本個性を持った表面となります。
このため、お届けする素材の柄は、色味や大まかな模様の入り方は同じですが、実際の表面の模様は上記画像と同じにはならず、個々違った模様となります。

素材ごとに製作している商品の一覧

品番の記載がある商品を製作出来ます

素材 15ミリM形吸入方式 キャップ式
精密ボールペン
赤マーブルエボナイト M15S-YR-M14(字幅) BP12-YR
グリーンマーブルエボナイト M15S-YG-M14(字幅)
パープルマーブルエボナイト M15S-YP-M14(字幅)
黒エボナイト M15S-YB-M14(字幅) BP12-YB
マリングリーンマーブルエボナイト M15S-YM-M14(字幅)
オレンジマーブルエボナイト 特注品のみ
赤スワールマーブルエボナイト 特注品のみ