masahiro万年筆製作所製品のトラブルシューティング
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筆記時は後部つまみを緩めたままの状態で使用するとのことだが、緩めた後部つまみのところから空気を送っているのか?

首の後ろ側端面中心には軸内部からのインクや空気圧を遮断する気密部が設けられております。後部つまみを締めると、後部つまみに装着された中芯の先端ある弁が首後ろの気密部と接触し、使用しない時、軸内部の気密を保ちます。
中芯は軸内部のパッキンに保持されており、後ろから空気は一切送りません。
M形吸入方式に特化したペン芯を自社生産しており、後部つまみをゆるめれば、インクが最後の1滴まで、間断なく流出します。
インクの流れる仕組みは、他の万年筆とまったく同じで、インクの流出を支配するのはペン芯であり、後部つまみのところから空気を送ったり、後部つまみの緩め加減で水道の蛇口のようにインク出を制御しているわけではありません。

首と軸のつなぎ目にパッキンが無いが、インクが漏れることは無いのか

軸との接合部分は、軸内部のインクが漏れることが無いよう、完全に気密が保たれております。
パッキンがなどを配置しなくても完全に気密を保つことが出来るよう、削り合わせのみで、完璧な気密を保っております。
パッキンのみならず、首のねじ自体にシーリング材やグリスなどは一切塗布されておりませんし、塗布する必要もないため、首はねじを緩めて脱着できます。
M形吸入方式でも、首を緩めてスポイトでインクを入れて頂く事も可能です。
パッキンを使わずに気密を保たせる方法は、伝統的な手法で、パイロット製品も戦前の商品は当然のごとくこのような方法で製作されていました。この削り合わせ技術は、ロクロハンドメイド作業の妙と言えます